耐震診断で分かる事は、ただ単にそのお家の欠点だけが浮き彫りにされるだけではありません。もちろん耐震診断ですから、そのお家のもっている耐震性能や、補強方法などといったことが一番重要になってくるかと思います。しかしながら、そのお家に住まわれるお客様自身に、お家の事をもっと良く知って頂いてもらういい機会でもあります。
例えば、地震が起きた時に、どのようにして家が地震に耐えるのか、実際に地震で被害を受けた家は、何が悪かったのか、では、その家が被害を受けないようにするには、どのような改善策があるのか、などです。
細かい話になりますが、皆様は「剛心」という言葉をご存知ですか?
「剛心」とは地震が来たときに、その地震に耐えようとしてくれるその家がもつ強さの中心のことです。そして、地震の際は、その「剛心」を中心にその家の「重心」が振り子のように揺れます。それら距離が遠ければ遠いほど振り子の揺れ幅は大きくなるのです。つまり、「剛心」からみて「重心」の先にある方向が一番力を受けるということです。
もし、この方向が弱い部分であった場合には倒壊してしまうこともあるかもしれません。ここで勘の鋭い方はお気づきになられたかもしれません。そうなんです、その「剛心」を「重心」に近づけるようにしてあげれば、揺れにくいお家になり、地震時に、ある一方向のみ力を受けるといった事ではなく、全体的に力を受け、弱い部分を強い部分がカバーすることが可能になってくるのです。
私たちはこのように、こういった専門的な話まで、模型や資料などを使って、丁寧に解かりやすく説明していきます。中には、耐震診断をして、難しい言葉を羅列して、お客様の不安を増幅し、契約をする業者も居ると思います。しかしながら、耐震診断を受けられるお客様は、建築の事をあまり詳しくない方がほとんどだと思います。そのため、私たちは、耐震診断の方法、その診断の判断基準、そして診断結果をふまえた最善の改善案などを、一つ一つお客様にわかりやすく説明をし、お客様に理解していただき、その後、お客様ご自身が、お家をどうされるか決定してもらっています。
昨今、地震や耐震に非常に関心が集まっておりますが、他人事ではなく自分自身の問題として、一人一人がお家の事を考えていかなければいけないと思います。そして、そのお手伝いをする為に私共が存在するのです。ですから私共は、自分たちの持ちうる限りの知識を広め、出来るだけ数多くの人が、安心して暮らせる家造りに携わっていきたいという使命感をもって耐震診断を行なっております。