中古住宅・一戸建てを購入してリフォームする際には、物件選びのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
中古住宅・一戸建ての中には、最終的に新築を超える費用が逆に掛かってしまったり、希望通りのリフォームができなかったり、何度もリフォームが必要になってしまう物件もあります。住宅の購入は一生に何度もない大きな買い物になりますし、後悔しないようにしたいものです。
ここでは、チェックポイントとして、ヒビなど住宅の周りの確認、窓サッシ、カビなど住宅内の確認、完了検査済証などの書類の確認について紹介します。
チェックポイントをしっかりと押さえ、満足のいく物件選びを行いましょう。
まずは住宅の周りを一周してみましょう。そこで、外壁にヒビがないか、異常な汚れがないかをしっかりと確認しましょう。
小さく細かなヒビの場合には、あまり心配ありません。この場合、表面だけの劣化であることが多く、外壁塗装リフォームで目立たなくキレイな仕上がりにすることもできます。ただし、大きく太いヒビの場合には、注意が必要です。この場合は、軟弱な地盤なため、地盤が傾き、その傾きに住宅が耐えることができずに、ヒビがはいってしまったものと考えられます。また、ヒビがあると、そこから雨水が侵入している恐れがあり、雨漏りの原因となります。
外壁に異常な汚れがある場合には、経年劣化などによってできた小さく細かいヒビから雨水が侵入し、壁の内部を腐食していることが原因として考えられます。さらに、最悪の場合、雨水が柱などの構造体に侵入し、躯体の腐食にまで及んでいる可能性もあるため、注意が必要です。
また、基礎に黒く細長い汚れがあった場合には、シロアリが糞や土で作ったトンネル(蟻道)であると考えられます。この場合、シロアリの被害を受けているため、リフォームに加え、シロアリ駆除の対応も行わなくてはなりません。
次は住宅内に入って、以下の内容を確認しましょう。このとき、まだ居住中のことも多く、その人たちの目が気になり、遠慮がちになるかと思いますが、これから何十年と住むことになりますし、遠慮せずに、動かせるものは実際に動かして確認することが大切です。
窓サッシが実際にスムーズに開閉できるかを確認してみると、開閉がスムーズにできなかったり、窓サッシに隙間ができるほど傾きがある場合があるかと思います。開閉がスムーズにできない場合は、あまり心配ありません。サッシがゆがんでることが原因であり、サッシを調整するだけで解決できます。ただし、隙間ができてしまっている場合には、注意が必要です。この場合は、住宅の構造にそもそも問題がある可能性があるためです。
なお、断熱性能の高い窓サッシかどうかもその場で聞くなどして確認してみるといいでしょう。住宅の快適さの一つの基準として、断熱性能が高いことが挙げられます。これは、例えば、夏場の暑い日に二階が蒸し風呂のように暑くなったり、冬の寒い日に廊下やお風呂が寒くなったりとかということがないことであり、外部の環境の影響を受けにくく住宅内の温度・湿度が一定に保つことができることを意味しています。住宅の断熱性能を高めるために、断熱性能の高い窓サッシに交換することが効果的ですが、窓サッシは数が多く意外と費用がかさんでしまうことから、もともと断熱性能の高いサッシになっていれば、大幅なリフォーム費用の節約ができるかと思います。
また、同様に、ドアや収納の扉なども、あわせて同じように確認してみるといいでしょう。
天井や壁などを確認してみると、天井や家具の裏や部屋の隅にカビは発生していたり、天井にシミがあったりする場合があるかと思います。
カビが生えているということは、風通しが悪く、湿気が多い証拠であり、注意が必要です。天井や壁の壁紙を張り替えれば問題ないと思われがちですが、それはその場しのぎの対策でしかなく、しばらくするといつの間にかカビが発生してしまいます。そのため、風通しをよくし湿気を少なくするために、乾燥剤や換気扇を取り付けるなど、湿気対策のリフォームが追加で必要になってしまいます。
また、シミがあるときも、雨漏りが原因となっていることが多く、注意が必要です。現在はシミだけで、雨漏りはないと言われたとしても、いつかまた雨漏りがしてしまう可能性もあります。そのため、天井を張り替えるだけではなく、雨漏りの原因を特定し、屋根や外壁などにもリフォームが必要になってしまい、時には大掛かりなリフォームとなってしまうこともあるそうです。
これまでは、現地で実際の住宅をみて、劣化状態を確認するチェックポイントを挙げてきましたが、書類上の確認も必要です。
しっかりと確認しておきたい住宅関連の書類としては、建築確認申請書と完了検査済証があります。
建築確認申請書とは、住宅を建てる前に、建築基準法、及び、関連する法令や規定に基づいた建物であるかなどを審査するための書類であり、間取りや面積などが記述されており、完了検査済証は、建築確認申請書通りに建てられたことを証明する書類です。
この2つの書類がそろっていれば、違法建築ではないと安心できるかと思います。
なお、完了検査済証が交付されていない場合には、注意が必要であり、その理由について確認しましょう。中には、1階を当初は居室スペースと計画をしていたのに実際は駐車場になってしまっていたり、2階建てと当初は計画していたのに、実際は3階建てになってしまっており、当初の容積率の基準を満たさなくなってしまったなど、違法建築になってしまい、完了検査済証をとれなかったという場合もあります。当然のことですが、違法建築にリフォームを行うことも違法行為となりますので、完了検査済証が交付されていない場合には、建築確認申請書との相違箇所を不動産に確認することをおすすめします。