LOHAS studio
岡本 博行@OKUTA
2023/08/19
夏も折り返しに入り、少しずつ暗くなるのが早くなってきました。
ツクツクボウシが鳴き始めたら、秋も近いですね!
夏と言えば湿気。湿気と言えば結露・カビ・アレルギー・不調といった
キーワードが出てきます。
今回は、夏の快適性を実現するためのエアコンの選び方についてです。
断熱等性能等級7(性能表示制度では最高ランク)の超高断熱の家でもエアコンは必要です。
本来エアコンは物件ごとに暖房負荷、冷房負荷を計算して必要能力(いわゆる畳数)が決まります。
ちなみに正しい断熱気密計画で施工して、日射遮蔽の効果を正確に理解して実践していれば
夏に快適な空間は、ほぼ確実に作れます。
◆ 「夏の不快」の正体
冷房やドライ運転をすると、同時に除湿が行われます。
涼しい空気はエアコン内部の金属部分(フィン)を通過して空気が出てきます。
このフィンがすごく冷たいので、ここで結露が起こり、外のドレンホースから水が出てきます。
これが除湿される仕組みです。
昼間は部屋の温度が上がりやすいため、逆にエアコンが頑張るので除湿効率も高く、比較的快適でしょう。
問題は夜から朝にかけてです。
夜と朝は陽が沈んで温度は低くなりますが、空気中の水蒸気量は日中とほとんど変わりません。
「昼間よりも夜の方が蒸し暑く感じやすい」のはこのためです。
「温度はちょうど良いけど、なんか気持ち悪い」のは空気中の水蒸気量が多いからです。
例えば、温度27℃ の 時、湿度(相対湿度)55% は不快のラインです。
快適ラインに持っていくなら、相対湿度は 50% を切りたいところです。
湿度の詳しい話はこちらのブログを参考
もっと除湿をしようと思うと、エアコンはもっと冷やすので今度は寒くなってしまいます。
どうしたら良いのでしょう・・・
◆ 再熱除湿 は「夏の不快」解決策の一つ
「再熱除湿」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
今ではほとんどのメーカーで再熱除湿機能をつけたエアコンモデルが出ています。
除湿はエアコン内で結露させて、水蒸気を外に捨てると説明しました。
つまりエアコン内で冷やし続けることが前提になります。
再熱除湿は、エアコン内で冷やし続けるところは同じですが、
エアコンから室内に出る空気を少しだけ温めて吹き出すので、部屋が冷えすぎるのを和らげてくれます。
除湿はたくさんするけど、部屋を冷やし過ぎないという、いいとこ取りの機能です。
実は、夏は 湿度が適切であれば、温度が高くても不快になりません
再熱除湿にもデメリットがあり、空気を温めて部屋に吹き出すので、電気代は少しだけ増えます。
(一般的な冷房・除湿は冷えた空気をそのまま吹き出すので、比較的省エネ)
また、エアコンメーカー各社によって除湿能力にも差があります。
現代の忙しい生活では、不快な空気環境によるストレスは、病気の元になりやすいので問題です。
そう考えると、将来かかる医療費を先行投資して、健康と時間を得られる。と考えればかなりお得です。
◆ 具体的なエアコンの選び方
快適・省エネ的にどのような基準でエアコンを選ぶかをお伝えします
基本的には、以下の5つです。
・COP(暖房・冷房の効率)が高い
・再熱除湿がある(または選べる)
・除湿能力が高い(メーカーの仕様表で確認)
・加湿機能はいらない
・自動お掃除など、便利機能はお好みで
私はいつも「価格.com 」さんのHPにお世話になっています。
商品が比較できるので、とても便利です。
業務ではスペック値をここで絞り込んでいます。
そのあとに実案件の計測値、体感、メーカーの仕様表を考慮して決めています。
数値が全てではありませんが、判断材料の一つになります
最後はお客様の好みに合うかです(笑
実際の比較画面です。一番優れた値を赤表示してくれるので便利です
あと可能であれば、実際の商品を家電量販店などで見ておくとより安心です。
店舗販売はネット通販より高めですが、保証制度や相談しやすいサービス体制が魅力です。
ちなみにスッキリ納まる天井カセット形エアコンにも再熱除湿タイプがあります
◆ 結論
基本的には「再熱除湿有り」が推奨です。
再熱除湿は特に梅雨時期に真価を発揮します。冷やさずに除湿できるからです。
ご家族の体感温度が比較的近くて、とにかく電気代を安く済ませたい場合は、
再熱除湿無しでも良いと思います。
あとは迷ったら「再熱除湿有り」で覚えてください!
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