2016/09/17
誰でもできる わが家の耐震診断 国土交通省住宅局監修、日本建築防災協会編集の
木造住宅にお住まいの方に向けた簡易耐震診断です。
10の質問に答えるだけで、お家の耐震性をおおよそ知ることができます。
(簡単な解説も入れます)
1から10までの質問で、選んだ選択肢の点数を合計します。
1. 建てたのはいつ頃ですか?
1点 1981年6月以降
0点 1981年5月以前
0点 よく分からない
→
昭和56年6月に法改正が行われ、いわゆる「
新耐震基準」が施行されました。
昭和56年5月以前はいわゆる「
旧耐震基準」と言われています。
平成12年には阪神大震災の経験から、
柱の接合方法や、筋かいなどの耐力壁のバランス計算が義務化されました。
昭和56年以前でも適切にメンテナンスを行い、新築時にきちんと施工されていれば、良い評価となることもあります。
2. いままでに大きな災害に見舞われたことはありますか?
1点 大きな災害に見舞われたことがない
0点 床下浸水・床上浸水・火災・車の突入事故・大地震・崖上隣地の崩落などの災害に遭遇した
0点 よく分からない
→ 災害に遭遇している場合、
見た目で問題がなくても、外見では分からないダメージを蓄積している可能性があります。
これは専門家に診てもらった方が良いと思われます。
3. 増築について
1点 増築していない。または建築確認など必要な手続きをして増築を行った
0点 必要な手続きを省略して増築し、または増築を2回以上繰り返している。増築時、壁や柱を一部撤去するなどした
0点 よく分からない
→
元の建物と増築部分の接合や、建物全体の考え方が重要です。
耐力壁(筋かいや構造用合板など)の数は床面積でも決まります。
増築して床面積が増えた分、筋かいの量や建物のバランスの確認が必要です。
(建物分離と考える場合は別です)
4. 傷み具合や補修・改修について
1点 傷んだところはない。または傷んだところはその都度補修している。健全であると思う
0点 老朽化している。腐ったりシロアリの被害など不都合が発生している
0点 よく分からない
→
建物全体を見渡してみます。「
ここ怪しいなぁ」と思うポイントはありませんか?
例えば
壁、柱、床が傾いていたり、一部だけ変色しているところなどがあれば
劣化の可能性ありと判断します。
5. 建物の平面はどのような形ですか?
1点 どちらかというと長方形に近い平面
0点 どちらかというとLの字、Tの字など複雑な平面
0点 よく分からない
→
整形な建物は地震に対して強い形であることはよく知られています。
反対に不整形(凸凹が多いなど)な建物は比較的地震に弱い形です。
(もちろん
設計者が形状を考慮して、適切に壁を配置しているお家も多いです)
6. 大きな吹き抜けがありますか?
1点 一辺が4m以上の大きな吹き抜けはない
0点 一辺が4m以上の大きな吹き抜けがある
0点 よく分からない
→
大きな吹き抜けがあると、地震時に建物をゆがめる恐れがあります。
ここでの4m以上とは一辺が4m(柱の芯~柱の芯までで約3.64m)を超える吹き抜けです
これより小さな吹き抜けは
ない とします
7. 1階と2階の壁面が一致しますか?
1点 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がある、または平屋建てである
0点 2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない
0点 よく分からない
→
2階の壁面と1階の壁面が一致していれば2階の地震力はスムーズに1階に流れます。
平面図があれば、見比べてみるとおおよそ知ることができます。
バランスゲームの ジェンガ がこのイメージに近いかもしれません。
ツーバイフォーは1点とします。
8. 壁の配置はバランスがとれていますか?
1点 1階外壁の東西南北どの面にも壁がある
0点 1階外壁の東西南北各面のうち、壁が全くない面がある
0点 よく分からない
→
壁の配置が偏っていると、壁の多い部分は揺れが小さく、壁の少ない部分は揺れが大きくなります。
ヒトに例えると、直立より、両足を少し開いて立った方が揺れても踏ん張れるのと似ていますね。
9. 屋根ふき材と壁の多さは?
1点 瓦など比較的重い屋根葺き材であるが、1階に壁が多い。またはスレート・鉄板葺き・銅板葺きなど比較的軽い屋根葺き材である
0点 和瓦・洋瓦など比較的重い屋根葺き材で、1階に壁が少ない
0点 よく分からない
→
瓦は耐久性、耐候性に優れた屋根材のひとつです。しかし少し重いので、
それに応じた耐力が必要です。
耐力の多さは一般的に壁の多さに比例しますので、ご自宅では壁が多い方かどうかが判断となります。
10. どのような基礎ですか?
1点 鉄筋コンクリートの布基礎または、べた基礎・杭基礎
0点 その他の基礎
0点 よく分からない
→
鉄筋コンクリート基礎は、その他の基礎と比べて地震に遭遇しても丈夫です。
基礎は建物本体に地震力が加わった時、地盤に力を逃がしてくれます。
地盤の弱い土地には、杭などを硬い支持層と呼ばれる深さまで地面に打ち込み、その上に基礎を作ります。
ご自宅の基礎の種別をご確認下さい。
お疲れ様でした!
さて、何点になりましたか?答えは次の通りです。
結果発表!
10点 ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう
8~9点 専門家に診てもらいましょう
7点以下 心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう
何点になっても、「専門家に診てもらいましょう」です。
・・・ツッコミはあると思います!
ですがこの1~10までの質問は、
お家の耐震性能を特に大きく左右する内容なのです。
私が考える解釈はこんな感じです。
10点 ひとまず安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう →
立地条件や、建物の条件は良さそうです。耐震的にとても良いお家と思われます。
しかし、
お家は年数によって少しずつ傷んできますので、
プロの点検を受けた方が安心です。
これからのメンテナンスのタイミングや、予防策などのアドバイスをすることもできます。
8~9点 専門家に診てもらいましょう →
10点と同様、好条件の建物と思われます。
ですが、
いくつかの懸念事項がありそうです。点検によって懸念が払拭できれば良いのですが
問題点を発見した場合、その時点から対策を立てることができます。
家は傷んだ部分をそのままにしているとその分傷んでしまい、
さらにその範囲も広がることが多いです。
早く発見できれば、優先順位の高い箇所や、緊急度の高い箇所の修繕から始めるなど
お客様に合った対策を一緒に考えることができるのです。
7点以下 心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう →
お家の耐震性能にとって不安な要素がいくつかあります。
まずはお家の現状を点検によって確認し、そこから対策を立てるべきです。
大掛かりになることもあるかもしれません。
しかし問題点を明確にして、適切な計画を立てることにより、
費用などの負担を最小限に留めることができます。
まとめ
耐震性能も大事ですが、もっと大事なことは適切に点検するということなのです。
何が問題点が明確に分かれば、いつ、どのように、いくらの工事するのか
といった計画をその時から立てられますので、安心して暮らすことができます。
また、
OKUTAの専門スタッフによる耐震診断を行えば、より明確なお家の現状を知ることができます。
リフォームのタイミングと合わせることで、費用負担も軽減できるケースもあります。
何から始めれば良いかお考えの方は、お気軽に最寄りの店舗にお問合せ下さい!
こちらは ↑ と同じ診断ができるHPです。
誰でもできる わが家の耐震診断 (日本建築防災協会HPより)
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/wagayare/taisin_flash.html