LOHAS studio
i018@OKUTA
2014/03/07
愛読書はいくつかあります。
その中でも、私が、インテリア好きになったきっかけの本を紹介したいと思います。
イギリスの女流作家、ルーマー・ゴッテン作「人形の家」。
小学3年生の時に出会った児童書です。
(一般的には、ヘンリック・イプセンの書いた戯曲、「人形の家」の方が有名なのかも知れませんが)
簡単なあらすじです。
主人公は、トチ-・プランタガネット という名の、オランダ人形。
とても小さな女の子の人形なのですが、硬くて丈夫な木で出来たお人形です。
このお人形の持ち主が、エミリーとシャーロットという姉妹。
トチ-には家族が居ます。(もちろん、姉妹がそう見立てた家族)
プランタガネットさんとプランタガネットさんの奥さん(ことりさん)、トチ-のお父さんとお母さんです。
プランタガネットさんは若い男の人のお人形ですが、ペンで昔いたずら書きされた、口ひげをたくわえてました。
奥さんのことりさんは、クラッカーについてきた、セルロイド製の女の人のお人形。頭の中で鈴がカラカラ言います。
弟もいて、とてもかわいいりんごちゃん。フランネルで出来た半ズボンを履いています。
そして、かがり針の背骨でできた犬のかがり。 ちくん、ちくん と泣きます。
4人家族と一匹は仲が良くて幸せでしたが、ただ一つの悩みはちゃんとした家がないこと。
エミリーとシャーロットは靴箱を二つ重ねて、人形たちの家にしていたのです。
プランタガネットさんは話します。(もちろん、姉妹には聞こえません)
「あぁ 家がほしいなぁ。ちゃんとしまる家、長く持つ家。姉妹は私たちに家を買ってくれるのだろうか・・・」
それを聞いたトチ-が、話出します。
「私、人形の家を一つ知っているわ。昔、そこに住んでいたの」
プランタガネットさんとことりさんは、トチ-のお父さんとお母さんですが、実は一番長くこの家で暮らしているのは、木で出来たお人形のトチ-です。
トチ-の話す人形の家は、姉妹の大おばさんローラのもの。
トチ-はそんな昔からいるお人形だったのです。
(人形の家とは、いわゆるドールハウスです。日本では、女の子のおもちゃのシルバニアファミリーが有名です。シルバニアファミリーは動物のキャラクターですが、あのお人形版と思って下さい)
「どんな家?どんな家?」
皆にせかされて、それがどんな家だったのか、トチ-が話続けます。
その描写の詳しいこと。家の細部に至るまで、その家が目の前に浮かんで来るくらい上手にトチ-が話すのです。
「・・・玄関を入ったすぐの部屋は、よく磨かれた木の床に階段があったわ。その床のことは忘れないわ。だってチェッカー盤にそっくりだったんですもの。
その玄関の壁は赤だったわ。窓にはレースのカーテンが掛かっていたの。その白が赤い壁に映って綺麗だったわ。」
・・・・
「左側に台所があったわ。」
「どんなだった?」
「青いブリキのストーブにお鍋がいくつかと、やかんが一つ掛けてあったわ。・・・それから、テーブルと敷物と、台所用の椅子がいくつかと、洗濯のしわのばし機もあったし、
窓の台にはおもちゃのゼラニウムの鉢もあったわ。」
トチ-の話はまだまだ続きます。
人形たちはすっかり、その家のとりこになって、いつかそんな家で暮らせないか夢見ます。
そして、ある日、姉妹の大おばさんローラが亡くなって、トチ-の話した人形の家が、すっかり汚れてボロボロになって見つかるのです。
その人形の家は、遊ぶにはちょうどいい年頃の、エミリーとシャーロット姉妹の家に運ばれてきます。
人形の家を見た、トチ-と3人のお人形たちは祈ります。
祈って、祈って、祈ります。
そうすると、姉妹は人形の家の修復を始めるのです。
雑巾で磨いて、汚れを取って、ダメになったカーテンや、壁紙は大人の手を借りて、綺麗なレースや壁紙に張り替えられます。
新しい家具が来て、どんどん家が出来上がって行くのです。
家が綺麗になっていく。様々な工夫をして、アイデアを出して。
エミリーとシャーロットは自分たちの貯金も使って、家の修復に掛かる材料を買ったりするんです。
(今思えば、これって正にリフォームです!)
小学3年生だった私はわくわくして、いっきに読み切りました。
それから、何回も何回も、繰り返し読みました。
家というものに興味を待った、本当にはじめの一歩の本でした。
ルーマー・ゴッテンの「人形の家」はそんな家の細かい描写だけでなく、それからの物語もあるのです。
新しく綺麗に生まれ変わった家に住む、4人家族に波乱が訪れます。
マーチペーンという、それはそれは高価な瀬戸物で出来ていて、素晴らしいドレスを来たお人形が来たことで、
家族の平和が崩れて行くのです。。。
(この気位の高いマーチペーン、トチ-とは因念の中。ルーマー・ゴッテンの「人形の家」は、とても人間らしいストーリーでもあります。
でも安心して下さい。なんといっても子供向けの本ですから)
興味のある方は、岩波少年文庫(単行本)「人形の家」で検索して見て下さいね。
今でも、買えますよ。
←これは私の待っている人形の家。今は表紙のデザインが少し違います。
PS、この本を読んだ後、私の叔父が丁度、出張でフランスへ行き、なんと、お土産に二つのお人形を買ってきてくれたのです。
さっそく、私はお人形にトチ- とマーチペーン という名前を付けましたが、マーチペーンには「ごめんね。マーチペーンで。」
って、いつも謝って(?)いました。。。
SNSでシェアする
担当者へ無料メール相談!お気軽にご相談下さい!
お問合せ・資料請求はこちらから月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 9月 | ||||||
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |