LOHAS studio
i018@OKUTA
2015/02/28
2月ももうすぐ終わる今、時期を外した話題で恐縮ですが、皆さん。
お正月の遊び と言って思い浮かぶことは何でしょう?
と言ってもお正月の特別感が失われつつある昨今、お若い方はあまりピンと来ないかも知れませんね。
少しお歳を召した方ならいくつか思い当たりますよね。
凧揚げ、羽根つき、福笑い、コマ回しに、かるた取り・・・
そして、かるた取りの中でも代表格が百人一首かるた取り。
(かるたとは取り札を指して言うのですね)
子供の頃(小学生)、実家では百人一首かるた取りがお正月遊びの定番でした。
普段忙しくしている母も加わって、そばでニコニコ見守る祖母(・・・取ってたのかなぁ、おばあちゃん)と宿敵の兄。
そして読み手は父。
毎年、我が家のお正月恒例のこの行事。
年が明け、親戚の皆さんの祖母詣で(?)もひと段落着くと。
始まります!炎の大百人一首大会が!
なんて、燃えていたのは私だけかもしれないけど・・・
晴れ着の袖を肩まで上げて、おしとやかさなんぞ、家の外まで蹴り飛ばし、準備万全。
「では、読むよ。」父の合図で始まります。
いざ、勝負!
ご存じの方も多いでしょうが、百人一首かるた取りとは、
和歌の5・7・5 (上の句)と 7・7(下の)を分けて、読み手が上の句から読み始めて、取り札となっている下の句を取る というゲームです。
つまり、百人一首の和歌を上の句から、どれだけ知っているかで勝負が分かれます。
毎年12月も半ばになると、一足早く、こっそりと百人一首を取り出して、陰に隠れて必死で覚えたもんでした。
宿敵兄に、ただ勝ちたくて、勝ちたくて。。。
カンツォーネの好きな父の朗々たる読み声が響き渡る中、
「はぁい!」
「よっしゃ、取ったぁ」 兄と私の怒号も響き渡る実家のお茶の間。
両者一歩も譲らず、かるた取りは進みます。
早々取り札を取っても、最後まで読み上げる父。
「お父さん!もう取ったよ。次、次!」せかす私。
(後で知ったことですが、最後まで読むのが正式のようですね)
たまに、「うん。これはよい句だ」 読み上げる前に小さくつぶやく父。
きらり と私の目が光る。次はきっとお父さんが好きなあの句だ!
きりたちのぼる あきのゆうぐれ・・・
きりたちのぼる あきのゆうぐれ
父が上の句を読み上げる直前から、必死で探し始める私。
次の瞬間、兄の目も、皿のように取り札の上をぐるぐる回っているのに気が付いた。
しまった。敵も気づいたか・・・!
このようにして真剣勝負(?)の中、勝ったり負けたり。
実家の百人一首大会は幕を閉じます。
百人一首とは、正式には小倉百人一首と言います。
今から、750年以上も昔、藤原定家が、天智天皇から順徳天皇までの約150年の間に(高貴な人、歌人などが)読んだ様々な和歌百首を各人1首つづ選んで、
京都嵯峨野の小倉山の別荘で屏風に書き写したことから、この名があるそうです。
勝負(?)にただただ、勝ちたい理由で覚えに覚えた百人一首でしたが、子供心に、なんか、いいなぁ と思える語句がいくつもありました。
清少納言も、小野小町も紫式部も、百人一首で知りました。
村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕ぐれ *寂蓮法師
父が好きだった句です。
私が好きな句。
忍ぶれど色にでにけりわが恋は 物や思うふと人の問ふまで *平兼盛
巡りあひて見しや夫ともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな *紫式部
・・・あれ 両方とも恋の句だ。
ませていたんですね、私。
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