政府・与党は20日、2017年度税制改正で、中古住宅のリフォーム(改修)に対する減税措置を拡充する方向で調整に入った。
空き家の増加が全国的に社会問題となっていることなどを踏まえ、中古住宅の質の向上を促し、住宅市場の活性化を図る。与党の税制調査会で詳細を詰め、12月8日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む方針。
現行制度では、中古住宅の耐震化・省エネ化の改修を行った場合に、所得税と固定資産税の一部を減額している。17年度税制改正では、こうした改修に加えて、今年2月に制定された「長期優良住宅」の認定基準を満たす改修も行った場合に、減税額を拡大する。
リフォーム費用を一括で払った場合、所得税額の控除額を現在の最大25万円から最大40万円とする方向だ。固定資産税も減額割合を引き上げる。
例えば、耐震化・省エネ化に加えて、換気口の設置や排水管の移動など、中古住宅の劣化を防いだり、維持管理をしやすくしたりする改修を行った場合は、耐久性を向上させたとして減税拡充の対象とする。
減税対象となる省エネ化改修の基準も見直す。これまでは「すべての居室の窓の断熱」が条件だったが、住宅全体の省エネ性能が一定水準を満たす場合も対象に加える。