LOHAS studio
i018@OKUTA
2013/12/09
思い出話しになりますが、
父から、お誕生日プレゼントで買って貰ったお人形の話にお付き合い下さい。
もうずっと、昔。
18才のお誕生日でした。
(18才の)誕生日を迎える少し前、学校帰りにふらっと立ち寄った渋谷パルコ。
その(たしか)6Fに、お人形の専門店がありました。
(今はもう、有りません)
何気なく寄ったそのお店に、当時、池田理代子さんの大人気漫画「ベルサイユのばら」に登場してくる、
フェルゼン伯爵によく似た(私のイメージですが・・・)陶器のお人形が有りました。
長い髪を後ろに束ねた宮廷の麗人。端正な顔立ち。
すっと立つ、一体のお人形に一目ぼれ。
そうよ。もうすぐ誕生日!今年はお父さんにこれをねだろう!
そして、迎えた18才の誕生日。
仕事帰りの父と渋谷で待ち合わせ。
「パルコの6Fなの!」と父を案内。
あの素敵なフェルゼン伯爵と再会できるわ!と、わくわくお店に入って行きました。
ところが、ついぞこの間、出会った伯爵がいない・・・
あれ?なんで?
と、困惑している私を見て、父がお店の人に聞いてくれました。
「娘がここで見たという人形を探しているんだが、」
「どんなお人形でしたか?」とお店の人。
はい。ああで、こうで・・とても素敵で・・説明しながら、耳まで真っ赤になったのを覚えております。
「ああ~、売れてしまいましたね。」
がぁーん。そんなぁ・・・
やっぱり、そんな高貴な方とは結ばれない運命なんだわ・・・
落ち込んでいる私に、「他の人形ではダメなのか?」と父。
そうですね。せっかくお父さんに付き合ってもらって来たんだもの。
ちょっと待ってて。探してみる。
ゆっくりと店内を歩きはじめました。
そして出会った、あるお人形。
物語が見えたのです。
そのお人形は、二体のお人形。
牧場(たぶん)の木柵に少年が腰を掛け、キャンバスに絵を描いています。
その絵を覗き込むのは(たぶん)少年のお婆様。
あまり裕福そうでない、二人の身なり。
お婆様の長いスカートの裾に継ぎはぎの後まで再現してあります。
熱心に絵を描く少年。その絵は見えないけれど、とても上手そう。
杖を突くお婆様の目はかすかに笑う。
カレハショウライ、キット、ユウメイナガカニナル。
カレニヨリソウ、オバアサマハ、トウノムカシ二、マゴノサイノウヲミヌイテイル。
「お父さん、これにする!」
そしてこの日から、牧場の少年とお婆様のお人形は、私の宝物となりました。
○○年経った今も、私の部屋の本棚の上。
お人形を見る度に思い出す、今は亡き父との束の間渋谷デートと、あのフェルゼン伯爵。。。
それにしても、誰が買っていたんでしょうね。。。
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