家相
建物の位置や構造が人々の運命に影響すると信じ、その配置方法や建物形状の吉凶を判断する占法。
中国古来の陰陽五行(いんようごぎょう)思想に基づく方位説に由来する。
古く日本に伝来して、帝都の選定、社寺宮殿の造営はじめ、住宅建設などにもその配置の方位の吉凶を卜定(ぼくてい)するのが例となった。
一方、転居や外出などにかかわる「方位の忌み」も一般化していった。
陰陽道(おんみょうどう)の定着による陰陽師(おんみょうじ)の活動がその主動因で、その伝流は中世以後の築城や居館の造営にも及び、近世には広く一般民間にもその風潮は波及して、複雑怪奇な家相説が俗間の易占師などの手で流布した。