『外壁や屋根のリフォーム』で、
まるで新築のように、我が家を一新!
ひとことで「外壁塗装」と言っても、いったいどのような作業をしているのか、実際のところ、なかなかわかり難いものです。リフォーム業者に依頼したいけど、正しい施工をきちんとやってくれるのかどうか不安に思われている方もいるかと思います。
そこで、ここでは、足場の組立から確認作業に至るまで外壁塗装の主な作業工程についてポイントを交えて紹介していきます。ただし、細かい作業の順序などは、建物の種類や工法などの状況によって若干変わってきます。
是非、リフォーム業者がどのようなことに注意をして外壁塗装の作業をすすめているのかを参考にして下さい。
塗装を行う前の下準備の工程は、主に、「足場の組立」「高圧洗浄」「養生」「下地処理等」の4つの工程からなり、それぞれの工程の内容やポイントを確認しておきましょう。
まず、近所の方へのあいさつ廻りを行い、その後、足場の組立を行います。
外壁塗装において地上からでは手の届かないところを工事するために設置します。高い場所での作業は危険がつきものですので、安全、かつ、効率良く作業を進められるように、しっかりとした足場である必要があり、必要不可欠な作業工程です。また、注意喚起のため看板等を必要に応じて設置します。
さらに、メッシュシートで建物全体を覆います。これは、周りの建物に外壁の塗料等が飛び散るのを防止するためです。
外壁塗装の工事は、外見的には大掛かりで、威圧感があるかもしれません。そのため、近所の方へ、物心ともにストレスを最小限におさえ、迷惑をできるだけかけないように心掛けています。
足場が完成したら、高圧洗浄機を使って、建物全体をまるごと網戸やアルミサッシにいたるまで洗浄します。
高圧洗浄機は最大で150キロ圧にもなり、水の出口になるノズルを直接ゴム靴に当てると、穴を開けてしまうほどの強さで、壁から少し離して、水流を扇形にして出し、付着するカビや汚れ等を落とします。なお、汚れた状態では塗膜のノリが良くなく、剥がれやすい仕上がりになってしまい、仕上がりに大きな影響を与えますので、しっかりと洗浄する必要があります。
また、洗浄作業は長時間を要し、洗浄機のエンジン音はうるさく騒音にもなりえるため、近所の方に迷惑をかけないように、静音タイプの洗浄機や防音シートを使用する等工夫が必要です。
塗装工事をすると、どうしても塗料が周りに飛び散ってしまいます。そのため、ビニールやテープ、マスカーや布などで覆って、塗装しないところが汚れないように、または、傷つけないようにすることを養生と言います。
この工程では、ドアや窓などの開口部、ベランダの手すりなどの鉄部、さらには、地面の床、車、植木や植物などに、養生をしっかりとします。なお、養生をきちんと丁寧にできていないと、塗装する面としない面との境がはっきりしていなかったり、塗装しない箇所に塗料がついてしまったりと、きれいな仕上がりにならず、塗装の仕上がりの完成度に大きな影響を与える工程です。
なお、欠点として、養生をしている間、窓などが開けられず、空気の通りが悪くなり、息苦しさを感じることもあるため、空気の通り道を確保するため養生の仕方に工夫が必要な場合があります。
塗装を行う前の最後の下準備の工程であり、外壁のヒビ割れなどの傷んでいる箇所を改修工事します。
上から塗装すれば、見た目上、ひび割れを隠せることもありますが、これはただ見えなくなっただけであり、数年後再び、ひび割れを起こし、外壁をさらに傷めてしまう可能性が高くなります。そのため、建物を長持ちさせるためにも、傷んでいる箇所を見逃さず、根本的な対応を行う必要があります。
さらに、塗装をする箇所の状態を整えるために、剥がれかけている古い塗料を除いたり、錆を取り除いたりします。これらの作業は、塗装を剥がさせないよう密着させるために行なうものであり、耐久性を大きく高めることにつながります。
塗装は数回に分けて塗り重ねを行い、3回塗りが標準的な塗装工程になります。3回塗りは、主に、「下塗り」「中塗り」「上塗り」からなり、これらを行った後、確認作業などを行い作業が完了します。それでは、それぞれの工程の内容やポイントを確認しておきましょう。
まず、シーラー・フィラーやプライマーなどの下塗り塗料を外壁に塗ります。最終的な仕上げの色に影響を与えないよう、白、または、透明な色で塗装されることが多く、中塗りや上塗りに使う塗料とは異なります。
下塗り塗料を塗ることで、下地に馴染ませ、その上の塗料との密着力を高め、上から塗る塗料を剥がさせないようにし、下塗り塗料には接着剤の役割があります。
なお、外壁には様々な素材が使われており、素材とその状況を見極め、下塗り塗料を選定する必要があります。例えば、雨などの影響により、壁面がざらざらに荒れていると、壁面が塗料を吸い込んでしまわないように、壁面上に膜を張るような塗料を塗ります。また、鉄部であれば、錆止めの塗料を塗り、木部であれば、湿度によって収縮するため、それに対応できる塗料を塗ります。
次に、中塗りと上塗りの2回に分けて、同じ塗料を塗ります。ただし、同じ塗料でも色を変える場合もあります。
中塗りを行うことで、塗膜に厚みを持たせることができるようになり、長期的にみると、きれいな外観や性能が保たれ、長持ちさせることにつながります。
なお、下塗りと同様に、外壁の状況により塗装を行う必要があります。例えば、カビや汚れなどが目立つようであれば、シンナー系の塗料を塗り、ヒビが目立つようであれば、より厚みを持たせてヒビの再発を防ぐために、ドロドロとした塗料を塗ります。
最後に、中塗りと同様の塗料を用い、仕上げの塗装を行います。
外観のデザイン性が決まってしまいますので、美しく仕上げるため、ローラーや刷毛などを用い丁寧に塗り完成させます。
ただし、方角によって日光の当たり具合に違いがあるので、紫外線の影響により、痛みに差が生じている場合もあります。その場合、痛みが激しいと3回塗りでは外壁の表面を塗料の皮膜で十分に多くことができず、長持ちさせることができないため、4回塗りを行うなど、痛みの状況により塗り重ねる回数を増やします。
塗装が完了したら、養生で用いたビニールやテープをゆっくりと丁寧に剥がしていきます。このとき、ビニールやテープなどについた塗料が逆に外壁などにつかないように注意が必要です。全て剥がし終えたら、塗料の塗り残しなどがないか最終確認を行います。どんなに細かく養生しても、塗料の飛び散りやはみだしなどが出てきてしまうため、細心の注意を払います。
次に、足場を解体します。このとき、足場にのぼって、仕上がりを確認しようとする方がいます。しかし、素人が足場にのぼるというのは大変危険なことなので、業者の方にデジカメなどで撮ってもらうように依頼することをオススメします。
足場を撤去すると、建物全体を確認することができ、美しくなったとより実感することかと思います。後は、清掃や片付けをして完了です。