近年、結婚や出産などのライフスタイルの転換期を迎え、マイホームを手に入れたいと思い、選択肢の一つとして中古住宅・一戸建てを購入してリフォームしようと考える方が増えています。これは、予算的に新築を購入するのは厳しいが、中古住宅・一戸建てなら新築に比べ低予算ですみ、何とかなりそうと考えるためです。
そこで、ここでは、中古住宅・一戸建てリフォームにかかる費用の内訳や費用を抑える方法を紹介していきます。
予算を抑えようと中古住宅・一戸建てを購入してリフォームしたのに、新築と同じ程度、または、それよりも高額の費用が掛かってしまうこともあるため、イメージ先行で中古住宅・一戸建てを慌てて購入することなく、しっかりとかかる費用の内訳などを理解した上で検討しましょう。
中古住宅・一戸建てを購入してリフォームを行う場合、物件価格やリフォーム工事に費用がかかるのはご存知かと思いますが、それ以外にも諸費用がかかります。中古住宅・一戸建てリフォームにかかる費用は、主に、「物件価格」「物件購入に関わる諸費用」「リフォーム工事費」「リフォーム工事に関わる諸費用」の4つに分類されますので、それぞれの概要を確認しておきましょう。
中古物件の価格は、土地、建物、及び、建物の消費税からなります。なお、個人の場合には、消費税は課税されませんが、売り主が不動産業者などの法人の場合には、消費税は課税されます。個人間の場合でも不動産業者などによる仲介があった場合には、仲介手数料に消費税が課税されます。
物件価格の5~8%が目安で、主に以下の費用からなります。
<印紙税>
不動産の取引において、売買契約書など印紙税法で定められた課税文書に対して、印紙を貼る形で支払われる税金です。契約書の記載金額によって税額が決定します。
<登録費用>
土地や建物を購入した際、所有権保存登記や移転登記を行う必要があります。この登記を行う際にかかる税金(登録免許税)であり、司法書士に依頼する場合には司法書士へ報酬を支払います。
<不動産取得税>
不動産を取得した際に、その不動産の所在する都道府県が課税する、一度だけ支払う税金(地方税)です。なお、登記の有無、有償無償、取得の理由などは問いません。
<仲介手数料>
購入する住宅を仲介した不動産業者などに支払う手数料です。一般的に、簡便法で「売買金額×3%+6万円」で計算されています。通常は売買契約締結時にまず半分を支払い、引渡し時に残りの半分を支払います
<固定資産税・都市計画税>
1月1日の不動産所有者に対してかかる税金です。一般的に、年額を引き渡し日を境として日割りで精算し、売り主と買い主の負担割合を定め、買い主が売り主に日割り額を支払うことが多いです。
主に以下の2つの費用からなります。工事全体の費用における諸経費の割合は8~22%と、リフォーム会社や工務店でそれぞれ異なりますが、工事を適切に行ったり、会社を運営するために必要な費用となります。
<現場管理費>
工事担当者が正しい施工をしているか、工事の進捗状況に問題はないかなど、現場を取り仕切る監督員、工事管理者の人件費です。建物の劣化状況に合わせて工事を行う場合や住まいに内装などこだわりがある場合には、現場管理が特に重要になります。
<一般管理費>
リフォーム会社や工務店の事務所を維持するための経費です。光熱費や事務所の家賃、総務経理など間接部門のスタッフの人件費などが該当します。
中古住宅・一戸建てを購入してリフォームを行う場合、物件の立地などにこだわり、できるだけリフォーム費用は安く抑えたいと考える方もいるかと思います。そこで費用を抑える方法として、「汚れている場所に家具を置くこと」「他人の目につくところだけをリフォームすること」「いずれは汚れるものだと考えること」「築年数の浅い中古住宅を狙うこと」の4点をお伝えします。
汚れている場所で家具などを用い隠すことができる部分は、無理してリフォームしないことも必要です。
壁紙が広範囲で汚れている場合、以前住んでいた方が、その場所に家具などの大きなものを置いていたことが予想されます。そこで、同じようにテレビなどの電化製品や家具などをそこに配置すると、汚れが視界から隠れるため、壁紙の貼り替えなどのリフォームは行う必要がなく、リフォームの費用を抑えることができます。
また、比較的高い位置の壁紙が汚れている場合には、その汚れた箇所に時計や額縁に入れた絵画や写真を飾ると、同じように壁紙の貼り替えなどが必要なくなり、費用を抑えることができます。さらに、絵画や写真などを飾ると、お部屋の雰囲気を変えることもできます。
訪問者の目につくところだけに、リフォームの対応箇所を限定することも必要です。
お客様が自宅に訪れた際に、住宅内を歩き回ったり、寝室をのぞいたりすることは、ほとんどありません。そのため、お客様が訪れたときのことを想定し、リビングやトイレなど目につく場所はリフォームし、玄関や廊下など長時間居続けることがない場所や寝室などのプライベートな場所はリフォームしないなど、リフォームの対応箇所を限定することで、リフォームの費用を抑えることができます。
なお、予算を先にある程度決めておき、対応箇所に優先順位をつけて優先度の高い箇所からその予算の範囲でリフォームするのも費用を抑えるのに良いかと思います。
形あるもの、いずれは汚れてしまうと考え、ある程度の汚れには妥協することも必要です。
住まいの購入は人生において一度か二度しかなく、長く住み続けるものです。そのため、元気な子供がいれば壁に落書きをされたり床にジュースをこぼされたりするでしょうし、喫煙者がいればタバコのヤニで壁紙は黄ばんでいくことでしょうから、新築かどうかに関係なく、長期的にみれば汚れていくのは当然です。見栄えに対して強いこだわりがないようでしたら、多少の汚れには目をつぶることで、リフォームの費用を抑えることができます。
なお、中古住宅を見学する際にハウスクリーニングで取れる汚れかどうかを確認しておき、ハウスクリーニングで済ませるのも費用を抑えるのに良いかと思います。
価格や立地だけではなく、築年数も中古住宅購入の判断材料とすることも必要です。
中古住宅を購入してリフォームを考える場合、まず、できるだけ安く住宅を購入しようと考えるかもしれません。しかし、築年数が深いと、設備の老朽化や、リフォームすることで使い勝手がよくなる箇所が増えるため、逆にリフォームに多額の費用がかかり、トータルでの費用が高くなってしまう可能性があります。築年数の浅い中古住宅であれば、新築と同じ立地条件や間取りでも比較的安く購入でき、リフォームをしなくてよい場合もあります。そこで、中古住宅購入の際には、築年数も判断材料に入れて、費用をトータルで考え、リフォームの費用を抑えることができます。
なお、以前住んでいた方の住み方によって、リフォームの程度は変わるため、リフォームの程度を把握することを目的に、住宅診断を専門家に依頼するのも良いかと思います。