A2:多くの自治体が補助・融資制度を設けていますので、地域の自治体窓口で確認されることをお勧めします。
阪神・淡路大震災後に施行された「耐震改修促進法」を受けて、耐震診断・耐震補強に対する融資制度や補助制度を設ける自治体が増えています。耐震改修促進法は、学校、病院、百貨店、ホテルなど多数の者が利用する3階建て以上、1,000平方メートル以上の建築物を対象に耐震診断や耐震改修を行うことを定めた法律(1995年12月施行)ですが、多くの都道府県や市区町村では、一般の木造住宅を対象に耐震診断や耐震改修への補助金交付、融資斡旋、診断技術者の派遣などさまざまな奨励策を実施し、地震に対する住宅被害の軽減に取り組んでいます。
2005年度には、政府は「住宅・建築物耐震改修等事業」として戸建て住宅やマンションを対象に補助金の交付を盛り込んでいます。以下の表は横浜市の事例です。
●対象となる住宅 | 横浜市の行っている木造住宅耐震診断を受けた住宅で、木造住宅耐震診断の結果、総合評点0.7未満「倒壊の危険があります」と判断された木造の個人住宅(自己所有で、自ら居住しているもの) | |||||||||||||||
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●対象となる工事 | 1.碁礎、柱、梁、筋交い(耐力壁)の補強、軽量化のための屋根の葺替え等の耐震改修工事で、改修後の総合評点が1.0以上「一応安全」となる工事 2.建替え工事は対象となりません |
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●補助金額 | 耐震改修工事費用に対して、所得(世帯の所得税額)に応じて4段階の補助率で補助を行います。 1.2004年4月1日の申請分から、耐震改修工事費用の上限額を500万円(耐震設計費限度額40万円、補助工事費限度額460万円)としました(これまでは600万円) 2.また、耐震設計費および補助工事費の基準を設定しました |
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●所得額と補助率および補助限度額 |
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出所:横浜市Webサイト
多くの自治体が耐震診断や補強に対する補助金や融資制度などを創設していますが、耐震診断の経験が少ない技術者が派遣されてきたり、制度そのものが使いにくかったり、一部の団体の既得権的に運用されているなど、診断しても補強が進まないという現実があるようです。
皆様にとって使いやすく、耐震補強に積極的な事業者が使いやすい制度に改良することで、もっと多くの方がリフォームを実施する際に事業者から耐震補強を提案され、補助金が受けやすくなるのではないかと考えます。
出所:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合著、書籍「地震でも安心な家」より