A1:一概にはいえませんが、平均工事費用は約120万円となっています。
耐震補強の工事は、補強箇所やその内容によってかなりバラツキがあるようです。費用100万円以下でも可能な施工や、助成金制度についてご紹介します。
耐震工事にかかる工事費用は、補強箇所や補強内容などによってかなりの差があります。
一般的には、少ない費用で最大の効果が出る補強工事が理想です。
木耐協(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)が実際に行った耐震補強の工事費用(下図左グラフ)とアンケート調査(下図右グラフ)による希望費用を紹介します。
約120万円程度の補強ですと、壁の補強が2~3箇所、壁の補強に伴うホールダウン金物の設置が4~6箇所、外付けホールダウン金物の設置が4~5箇所、基礎のひび割れの補修程度が最も多い補強ケースです。しかし、補強プランというものはパッケージ化できるようなものでなく、1棟1棟検証が必要です。
また、耐震補強工事はリフォームを行う際に同時に実施するのが効率的です。耐震補強工事の費用は、おおむね「解体費用:2・補強費用:4・復旧費用:4」ですので、リフォームと同時に補強を行うことでそのコストは約半分ぐらいに抑えることができます。いつくるかわからない地震だけに費用をかけるのは難しくとも、せっかくリフォームするのだから同時に耐震性も担保するというのは非常に合理的ではないでしょうか。
構造に対するリフォームは行わず、補強だけ行う場合には100万円以下で施工ができ、ここに、いくつかの例を挙げます。
耐震工事を行う場合、助成制度や融資制度などを活用することができ、工事費用を抑えることができます。今後予想される大地震の発生に備え、被害を最小限に抑え、人命を守ることを目的としており、国や地方公共団体から経費の一部を補助してもらえたり、一定の条件を満たせば、独立行政法人住宅金融支援機構から融資を受けられます。是非、お住まいの自治体に一度ご相談ください。
耐震リフォームの事例もございます。「地震大国」日本で暮らしていくための備えを、さまざまな価格帯からご用意しております。
ご相談もお待ちしております。
ご主人が他界し娘さんが戻ってくることを機に、店舗併用住宅を耐震性だけでなく断熱性も重視して全面リフォームしました。在来木造建築のお家に耐震補強を施し、助成金を受けることができました。
リフォーム金額:2,800万円
築年数:32年
リビングダイニングが廊下を隔てた南東側にあり、日中でも照明を点灯しなくてはならないほど暗かったため、間取りを大幅に変更しました。門型の耐震開口フレームを施すことで、開放的なLDKを実現しながらも、耐震性能を向上させました。
リフォーム金額:970万円
築年数:16年
既存のお家は部屋が狭く、有効活用できていなかったため、全面リフォームしました。耐震性にも不安があったため、構造のみを残しスケルトン状態にして耐震補強を行いました。
リフォーム金額:2700万円
築年数:30年
お母さまから住まいを受け継ぐことを機に、ご自分達の生活に合わせた住まいにリフォームしました。間取りを変更したため、開口部にJ耐震開口フレームを用いて耐震補強を行いました。
リフォーム金額:1397万円
築年数:14年
出所:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合著、書籍「地震でも安心な家」より