A4:耐震構造は建物の構造体で地震力に耐えるのに対して、免震構造は地震力が伝わらないようにすることで、制震構造は地震力を吸収することで、地震から家を守ろうとするものです。
戸建て住宅の地震対策には、大きく分けて次の3つの方法があります。
1)耐震構造
2)免震構造
3)制震構造
耐震構造とは、土台や柱、梁など建物の構造体を強くすることによって地震に対抗するものです。筋交いを入れた耐力積にしたり、土合と柱をホールダウン金物でしっかりと補強するなどして建物の耐震性能を高め、地震で建物が揺れても被害を少なくすることができます。
しかし、耐震性能が不十分であると、大きな地震に遭遇したときに建物に被害を受けたり、家具の転倒や移動が生じることがあり、地震直後の建物の機能を確保できないこともあります。建築基準法では、中地震(震度5強程度)や大地震(震度6強以上)に対しての耐震基準を設けていますが、それは、中地震に遭遇したときに建物の構造体に部分的なひび割れなどの損傷が生じても、修理すれば住み続けることができる水準です。また、阪神・淡路大震災のような大地震に対しては、建物の修復が困難なほど壊れても、倒壊までは至らない程度の水準ということです。
つまり、建築基準法は、耐震性能の最低基準を満たすことを義務づけているもので、決して絶対的な安全を保証しているわけではないのです。
そこで、耐震性能をよくして大地震に遭遇しても、"もっと安全な家"にしようというのが、免震構造や制震構造の考え方です。
免震構造とは、地震の揺れがそのまま建物に伝わらないような免震装置を建物と基礎の間にはさみ込んで、地震力の侵入を低減する仕組みです。
一方、制震構造は、地震エネルギーの吸収を建物の構造体自体で行わずに、建物内に設置した「ダンパー」と呼ばれる特殊な装置で行う仕組みです。
出所:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合著、書籍「地震でも安心な家」より